ボールペンに他社製リフィル(替芯)を入れて使う :: C-300系(111mm)
ここで「C-300系(111mm)」と呼ぶリフィルグループ1は、水性ボールペン用リフィル「オート C-300 」とペン先および外径がほぼ同じ寸法のリフィルのうち、全長が約111mmの単色ボールペン用リフィルです。
このグループのリフィルの形状は、国際標準規格「ISO 14145-1:2017 Roller ball pens and refills-Part 1: General use 」「ISO 14145-2:1998,Roller ball pens and refills-Part 2: Documentary use 」およびそれを元にした日本産業規格「JIS S 6054:2020 水性ボールペン及びレフィル 」の中に、形式「A」として規定されています。 これらの規格では、幅を持たせた形でリフィル各部の寸法が定義されており、形式「A」のリフィルの場合、全長は109~113mm、ペン先外径は2.2~2.4mm、とされています。
「C-300系(111mm)」グループのリフィルと「パイロット G-2系 」グループのリフィルとは、外形寸法が酷似しています。見比べても区別が付かないかもしれません。しかし、全長とペン先の金属部分の外径とがそれぞれわずかに違います。全長は、「パイロット G-2系 」は110mmであり、「C-300系(111mm)」グループのリフィルよりわずかに短いのです。ペン先の金属部分の径は、「C-300系(111mm)」より「パイロット G-2系 」のほうが少し太いことが多いようです。ですので、「C-300系(111mm)」グループのリフィルは「パイロット G-2系 」グループのボールペン本体に入りますが、ペン先がぐら付いたり長く飛び出すぎるなどの問題を起こします。「パイロット G-2系 」グループのリフィルはペン先の金属部分の径が太いので、「C-300系(111mm)」グループのボールペン本体のペン先の穴を通りません。無理やり押し込んだりするとリフィルや本体の内部を破損することがあります。「C-300系(111mm)」グループと「パイロット G-2系 」グループとの間に互換性はないと考えておくほうが安全です。ただし、個体差などによる例外はあります。たとえば「C-300系(111mm)」グループのボールペン本体であるオート リバティ には、一部の「パイロット G-2系 」グループのリフィルも入ります(全部ではありません)。
ボールペンリフィルグループ「C-300系(111mm)」のリフィルとボールペン本体を調べた結果のリストは次のとおりです。
なお、この一覧はもちろんメーカーが互換性を保証しているものではなく、製品個体差もありますので、すべての組み合わせが適合するとは限らないことをご理解ください。 また、すでに生産終了した製品も含まれています。
他社製リフィル・本体等と実際に組み合わせの検証を行った事例について、リスト下の組み合わせ検証例 に記しています。また、その結果から、他社製リフィル・本体との組み合わせにおいて問題が生じる可能性があると推察される製品には△印をつけました。
リフィル
- 低粘度油性
- 三菱鉛筆 SXR-38 (ジェットストリームスタンダード用 0.38mm) △
- 三菱鉛筆 SXR-5 (ジェットストリームスタンダード用 0.5mm) △
- 三菱鉛筆 SXR-7 (ジェットストリームスタンダード用 0.7mm) △
- 三菱鉛筆 SXR-10 (ジェットストリームスタンダード用 1.0mm) △
- オート B-305NP (リバティ用 0.5mm)
- オート B-307NP (リバティ用 0.7mm)
- オート B-310NP (リバティ用 1.0mm)
- コクヨ シルキー油性 PRR-EY5 (エラベルノ用 0.5mm)
- コクヨ シルキー油性 PRR-EY7 (エラベルノ用 0.7mm)
- ゲル(染料)
- ゼブラ JLV-0.4芯 RJLV4 (サラサドライ用 0.4mm)
- ゼブラ JLV-0.5芯 RJLV5 (サラサドライ用 0.5mm)
- ぺんてる XLRN5 (エナージェル用 0.5mm)
- ぺんてる XLR7 (エナージェル用 0.7mm)
- ぺんてる XLR10 (エナージェル用 1.0mm)
- オート G-305NP (リバティ用 0.5mm)
- オート G-307NP (リバティ用 0.7mm)
- オート G-310NP (リバティ用 1.0mm)
- オート KGR-805NPD (K-words2用 0.5mm)
- オート KGR-807NPD (K-words2用 0.7mm)
- オート KGR-810NPD (K-words2用 1.0mm)
- コクヨ エアリーゲル PRR-EG5 (エラベルノ用 0.5mm)
- コクヨ エアリーゲル PRR-EG7 (エラベルノ用 0.7mm)
- ゲル(顔料)
- 三菱鉛筆 UMR-82 (シグノノック式用 0.28mm)
- 三菱鉛筆 UMR-83 (シグノノック式用 0.38mm)
- 三菱鉛筆 UMR-85N (シグノノック式用 0.5mm)
- 三菱鉛筆 UMR-87 (シグノノック式用 0.7mm)
- 三菱鉛筆 UMR-80 (シグノノック式用 1.0mm)
- ゼブラ JF-0.3芯 RJF3 (サラサクリップ用 0.3mm)
- ゼブラ JF-0.4芯 RJF4 (サラサクリップ用 0.4mm)
- ゼブラ JF-0.5芯 RJF5 (サラサクリップ用 0.5mm)
- ゼブラ JF-0.7芯 RJF7 (サラサクリップ用 0.7mm)
- ゼブラ JF-1.0芯 RJF10 (サラサクリップ用 1.0mm)
- ゼブラ BJF-0.5芯 RBJF5 (サラサスタディ用 0.5mm)
- ぺんてる KFRN3 (ハイブリッドテクニカノック用 0.35mm)
- ぺんてる KFRN5 (ハイブリッドテクニカノック用 0.5mm)
- ぺんてる KFRN7 (ハイブリッドテクニカノック用 0.7mm)
- ぺんてる XKLR5 (ハイパーG用 0.5mm)
- ぺんてる XKLR7 (ハイパーG用 0.7mm)
- 水性
- 三菱鉛筆 UBR-300 (0.5mm)
- パイロット Lシン-30EF (0.5mm)
- オート C-304 (リバティ用 0.4mm)
- オート C-305 (リバティ用 0.5mm)
- オート C-305P (リバティ用 0.5mm)
- オート C-307 (リバティ用 0.7mm)
- オート C-307P (リバティ用 0.7mm)
- オート C-310 (リバティ用 1.0mm)
- オート C-310P (リバティ用 1.0mm)
- オート F-300P (リバティ用 筆ペン)
- セーラー万年筆 ローリング替芯 83-0300
- キリタ 水性ボールペンレフィル 中字 黒
- ペリカン ローラーボール替え芯 F 338 (0.5mm)
- ペリカン ローラーボール替え芯 M 338 (0.7mm)
- 消せる
- 三菱鉛筆 URR-100-05 (ユニボール アールイー用 0.5mm)
本体
- ノック式(単色)
- 三菱鉛筆 ジェットストリーム スタンダード △
- 三菱鉛筆 ジェットストリーム SXN-159 △
- 三菱鉛筆 ジェットストリーム ラバーボディ △
- 三菱鉛筆 ジェットストリーム アルファゲルグリップ △
- 三菱鉛筆 ジェットストリームプライム シングル △
- 三菱鉛筆 ジェットストリームスタイラス シングルノック △
- 三菱鉛筆 ユニボール シグノ ノック式
- 三菱鉛筆 ユニボール アールイー
- ゼブラ サラサクリップ
- ゼブラ サラサスタディ
- ゼブラ サラサドライ
- ゼブラ サラサグランド
- ぺんてる ハイブリッドテクニカ ノック
- ぺんてる エナージェル
- ぺんてる エナージェル アロイ
- ぺんてる エナージェル インフリー
- ぺんてる ハイパーG
- ぺんてる ゲルインキボールペンきらり
- オート K-words2
- ツイスト式
- キャップ式
- ぺんてる エナージェルトラディオ
- オート 水性ボールペン リバティ
- オート 水性ボールペン ワーズ
- オート 水性ボールペン デュード
- オート 水性ボールペン マジェスティック
- オート 水性ボールペン ファインスリム
- オート 水性ボールペン プラウド
- オート 水性ボールペン オルカ
- オート 水性ボールペン GIZA
- オート 水性ボールペン ジャズ
- オート 水性ボールペン ニシキ
- オート 水性ボールペン エグゼ
- オート 油性ボールペン タッシェ
- キリタ KWラッカー 水性ボールペン
- キリタ ベークライト 水性ボールペン
- トライストラムス オロビアンコ ボールペン BRASS
- ペリカン ローラーボール
- レクソン スクリバル ボールペン
組み合わせ検証例
- 同じ系列で全長だけが異なるグループ間では、カッターでリフィルの末端をカットして短くするだけで、使えるようになる場合があります。 ただし、「C-300系
」グループの場合は、リフィル末端の形状と本体の内部形状とが合わずに工夫が必要な場合があります。例を以下に挙げます。
- 「C-300系(111mm)」グループのリフィル「ぺんてる KFRN3 」の末端をカットして87mmに縮めると、「C-300系(87mm) 」グループの本体パイロット クラッチポイント BGWN-150R で使えるようになりました。ただし、末端の穴を塞いで平らにする必要があります。適度な径のサラ小ネジをはめ込むことで実現できました。
- 三菱鉛筆 ジェットストリーム スタンダード
およびその同種の製品のリフィルと本体は「C-300系(111mm)」グループに含めていますが、純正リフィルの外形寸法が他と若干異なります。組み合わせによってそれぞれ工夫や検証が必要です。例を以下に挙げます。
- 三菱鉛筆 ジェットストリーム スタンダード のリフィルをオート 水性ボールペン リバティ の本体に入れて使うには、ジェットストリーム本体に入っているスプリングを取り出して先にオート 水性ボールペン リバティ の本体の奥に入れ、それからリフィルを入れて口金を取り付けます。(情報源: あらゆる筆記条件に対応できるフレキシブルなペン [男のこだわりグッズ] )
- 三菱鉛筆 ジェットストリーム スタンダード の本体には、オート C-305 は入りません。ぺんてる KFRN3 は入ります。
- 同じ系列で全長だけが異なるグループ間では、リフィル外径と同じ径の樹脂パイプを接ぎ木することで、長くして使うことができるようになる場合もあります。接ぎ木用のパーツは、純正リフィルの樹脂パイプをカットして作れるので、短くカットする場合と違って、リフィル外径の微妙な差による不適合も回避できます。「C-300系
」グループの例を以下に挙げます。
- 「C-300系(87mm) 」グループのリフィル「パイロット BRFN-10F 」と26mmの樹脂パイプを組み合わせると、「C-300系(111mm)」グループの本体オート 水性ボールペン リバティ で使えるようになりました。接ぎ木用の樹脂パイプは、使いきった[ぺんてる KFRN3](ぺんてる KFRN3 )の末端をカットして作りました。接着剤やテープでくっつける必要はなく、オート 水性ボールペン リバティ の軸の奥に入れるだけで大丈夫です。87mmと26mmを合計すると標準リフィル長の111mmを超えてしまいますが、オート 水性ボールペン リバティ の内部にはバネがあってリフィル長の差を吸収する仕組みになっているので、少し長めの方が安定するようです。
- 「ウォーターマンボールペン系 」グループのリフィルは全長が112mで、外形寸法が「C-300系(111mm)」とよく似ています。違うのは、バネ止めとなるリフィル外径の段差の位置ぐらいです。外径5mmのパイプを用意して16mmほどの長さにカットし、リフィルのペン先側からかぶせてバネ止めの位置を調節すると、「C-300系(111mm)」リフィルの外径寸法にほぼ一致します。「ウォーターマン ボールペン メトロポリタン エッセンシャル 」の本体に適合しなかったリフィル「Monteverde Capless Gel Refill to fit Waterman ballpoint pens 」も、この方法で、「ぺんてる ハイブリッドテクニカ ノック 」の本体には適合しました。 ただし、同じ「C-300系(111mm)」グループの本体でも、内部のスプリングの寸法や形状によっては、かぶせる外径5mmのパイプがバネ止めの役目を果たさないことがあり、その場合は別の工夫が必要になります。外径5mmのパイプを使わずに、リフィルに直接セロテープをぐるぐる巻いてバネ止め代わりにするなどです。セロテープですので耐久性はあまりありません。
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「C-300系」リフィルグループの他の長さのリフィルについては、ボールペンに他社製リフィル(替芯)を入れて使う :: C-300系 をご覧ください。「C-300系」以外のリフィルグループについては、ボールペンに他社製リフィル(替芯)を入れて使う をご覧ください。 ↩︎